波動になびいて逗子へ

大然

朝の行が終わり、今日も日課になりつつあるエメラルド・タブレットを開いた時にそれはやってきた。

ちょっと前に足立育朗さんの『波動の法則』という本を読んでいた。

本の写真資料の中に逗子で撮られたものがあった。

宇宙からの波動を感じたり、人の波動をよくするための施設やシンボルの写真資料だ。

その一つが逗子にあり、家からそう遠くないので機会があれば訪れてみたいと、その読んだときには思っていた。

それをふと思い出して、改めて『波動の法則』を開いてみた。

確かめてみると「ヒーリングヒル逗子YOYO」という施設の名前で、名前からして逗子にあるとわかる。

今度は施設の名前でマップで調べてみると、その名前自体ではヒットしなかったが関連してるっぽい会社の住所が出てきた。

残念ながらHPなどもなく、閉業しているという情報があった。

だけどとりあえず近くまで行って、何かしらの波動なり振動なりインスピレーションなりが与えられるかもしれない。

そんな予感があったが一方で、今日は土曜日で家から逗子に行くまでには江ノ電に乗る必要がある。

行きも帰りも混雑が予想できてしまった時点で、急に行く気がなくなる。

また改めて平日の適当な時にでも、とスルーしようとしてエメラルド・タブレットに戻るが、どうにも集中できない。

だったら行くしかないと覚悟を決めて、家を出て逗子に向かった。

 

江ノ電は混雑していたのだが、なぜか乗った瞬間に眼の前の椅子が空いた。

おかげで楽に鎌倉駅まで着くことができ、それから乗り換えて逗子駅に着く。

着いたはいいが降りる出口を間違えてしまった。

 

特に焦る必要もないので遠回りしながらのんびりと歩く。

閑静な住宅街を歩いていると、見るからにお金をたくさん持っているであろう人が建てたような住宅がいくつもいくつも目に入る。

人通りは少ないが天気がいいお昼前なこともあってか犬の散歩をしている人と何人もすれ違い、なんだか心が穏やかになった。

何回か道を間違えながら向かう途中でこじんまりとした神社を見つけた。

『新宿稲荷神社』というらしい。

せっかくなのでお賽銭を入れてお参りをした。

 

道を間違えたり、寄り道をしながら駅を出てから30分ほど経ってほぼほぼその会社があったであろう住所にたどり着いた。

当然、門はしまっているし人がいる気配もない。

ただちらっと見える植物がきれいに整って育っているのが気にはなった。

誰かが手入れをしているのだろうか。

なんとなくだが閉じられた場所の写真を撮るのはためらわれたため画像はありません。

 

そのまま道伝いに歩くと披露山という山のハイキングコースの入り口に出会う。

カジュアルな服装できたので登るのはためらわれる。

だけど少しだけ中に入って森林浴を楽しんだ。

自然に囲まれていると心が落ち着き、良い波動をもらって光に近づいた気がした。

少し神聖な気持ちと雰囲気になったので、エメラルド・タブレットの100ページにある祈りを口に出して読んでみた。

 

入り口に戻り、地図になかった横道を下る。

すると海が見えてきて、そのまま海に出れる一本道になっているようだった。

 

風景を楽しみながらそのまま海に出る。

 

冷たい風が少し吹いているが、波は穏やかでそのまましばし佇んだ。

特に何かが降りてくるわけではないが、この自然と調和していこうという静かに思った。

 

20分くらい海の近くでぼんやりと過ごし、帰路につく。

帰りの江ノ電は鎌倉駅でとんでもない人の数がドアの前に並んでいた。

その列の最後尾に並び、一度で入れるのかと思うくらいの混み具合だったが、なんとか入ることができてドア近くの座席の前に立つ。

するとこちらも2駅目くらいでちょうど目の前の座席が空いてしまった。

近くに不自由な人やお年寄りを探すが見当たらないので座らせてもらった。

降りる駅まで譲るべき人がいたら譲ろうと考えていたが、現れることもなくてそのまま楽に帰ることができた。

 

 

特に何かを得たわけでも、何かが変わったわけでもない。

でもそれは3次元空間に縛られている私の感覚である。

私は特に霊的な何かを感じられたり、超能力や魔法が使えたりするような特別な人間ではない。

鈍い私には何もわからないが、宇宙意識レベルから見たら逗子に来る前とその後では何かが変わったのだろうか。

あらゆる結果には原因があり、直感にまかせて出発したこの小さい旅がその原因の種まきとなったとしたら

それはとても喜ばしいことである。